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旅したく [英国旅]

本棚を整理してて、というか、その前に。

初冬の空見上げながら(仕事机前の窓越しに)、
少し寒そうな灰色に、ふと「ロンドン〜」を思い出したのだ。

昔のロンドン、今はもうすっかり様変わりしてるだろう。
オリンピック以前と以降、高層ビル、
ガチャンガチャンと小銭入れて切符を買った地下鉄駅は、
今ではオイスターカード(スイカみたいなの)で、スイスイだろう。

ノスタルジック!

悪いか!

そうだ、あのノート!
まだ取ってあるよね!
と旅行関係をまとめてある本棚へ小走り、
手の平を広げたサイズの小さなノートを何冊か、
出してきた。

自分で手書きした地図を貼り付けたセロテープが、
すっかり変色してる(笑 ↓

マップ.JPG


これこれ、旅行ごと、行く前に、
手書き地図を貼り付け、使いそうなフレーズを書いておいた。
すっかり忘れてたけど、
1998年のノートには、フランス語のフレーズも。

Je compte rentrer tard ce soir
今夜、帰りが遅くなります

W杯の年だから、フランスへも、
行くつもりでいたんだ(行かなかったけど)。

情報が少なくて、図書館の本や、ガイドブックや、
溜池山王に、まだあった英国観光局に問い合わせたり。
現地ではこれにメモして店員さんに欲しいものを伝えたり、
人に道を尋ねた時に、書いてもらった地図も↓

現地.JPG


アナログだぁ〜〜〜と笑っちゃうけど、
悪いか!

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初めて北イングランドへ行った日(後編) [英国旅]

目の前に現れた卵ホットサンドは、
予想してた、薄切りパンに具を挟み、
プレスして焼くホットサンドとは似ても似つかず、
ハンバーガー用のパンに目玉焼きが挟んである、のであった。
味付けは無し、タルタル、照り焼き、ケチャップなどのソースも一切無し。

これがホットサンド?
どこがホット?
目玉焼きに、そっと触れてみると、ほんのり温かい。
それで、ホット? それとも「イカしてる」って意味?
ぎゃははははははは! ウケる〜〜〜〜

挙動不審に思われたか、ウェイトレスが不思議そうに見てる。
「あの〜、何か?」
「いえいえ、あー、これホットサンドなるか?」
「はい、ホットサンドですけど」

うん、では「いただきます」。
パク。
と、目玉焼きの黄身が半熟で、ツーーっと胸元に垂れてしまった。
慌ててバッグから、日本の路上で配ってたポケットティッシュを出し、拭く。
ピンク色のウサギのキャラのイラスト入り、駅前留学ナンタラ英会話学校の。

すると、ウエイトレス、
そのポケットティッシュが気になる様子。

「欲しい?」
「え?!」
「あげるよ、どうぞ」
「もらっていいの? ありがとう!!」

ウエイトレス、小走りに奥へ引っ込み、もらったーと、みんなに報告す。
何やらもめてるような声がす。
そして、不安げな表情で、またテーブルまで戻ってきて、
こう言ったのだ。
「あの〜、これ、一枚だけくれるってことだったのでは…」
ええー、違うよ、全部(っても使いかけだ)!

ティッシュペーパーは、もちろんイギリスにもある。
ポケットティッシュも、知る限りは「似たの」がある。
でも、ゴワゴワで厚い。
よか、ピンクのウサギが、
彼女のハートにヒットしたのか????

(ああ、ホットサンドで話が長くなってしまった)

そうだ、
「実は天使を見に来た、どう行けばいいのか?」
これも何かの縁、助けてもらおうじゃないの。
「う〜ん、天使まで、どう行くか…ちょっと待ってて」
厨房でなく、事務室の方から中年のキリリとした親切そうなオーナーが登場。
その手には、バス路線図が!

「はいはい、天使を見に行きたいとか?」
と、オーナーは路線図を広げ、
乗るバス停は、ここ。バスの番号は、これ。
降りるのは、ここ。
メモを取ろうとすると、
「あげますよ〜、バス路線図くらい」
えええー、今度はこっちがヨロコブ番。
握手、ウェイトレスとも握手。

乗るとき、バス運ちゃんに「天使のとこまで行きます」と告げる。
ああ、やっと。
ホカホカした気分で、バスに揺られ、街から離れ、郊外へ向かう。
バスには、
小学生高学年くらいのお姉ちゃんと、その妹たちがいた。
一番下はベビーカーの赤ちゃんだ。
色違いのサテンのリボンで髪を飾り、おめかしてる。

お姉ちゃんは妹たちが座席でイイコにしてるか声かけ、
赤ちゃんを携帯電話で写メしてる。
これから、子供らだけで、
親戚の家へでも遊びに行くのだろうか。
お姉ちゃんの携帯電話は、クリスマスプレゼントで貰ったばかりなんだろうか。
などと、想像する。

あ、前方に天使が見えてきた!
降りる用意を始めると、
運ちゃんが「まだまだ、先」と言う。
それは本当で、何個か前の停留所からでも見えるほどに天使はでかいのだった。

「ここだよ」とバスの運ちゃん。
バスを降り、幹線道路を渡り、
天使の立つ、ゲーツヘッドの丘に着いた。

正式名:The Angel of the North 北の天使
別名:ゲーツヘッドの目立ちたがり屋
現代アーティスト、アントニー・ゴームリー作。
高さ20m、重さ200tの、重工業の街らしく鉄製の天使像だ。


天使の足元に腰を下ろし、
なんでまた、ここへ来ることにしたんだっけ…
と、かろうじて『シーズンチケット』の、あの場面を思い出そうとするが、
寒くて、思考停止。

とうとう粉雪が降り始め、
ここまで時間かかったので、すでに暮れかけた空に、
何本もの飛行機が、筋を残してく。

ああ、寒い寒い。

北イングランドかー。

天使2.jpg




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初めて北イングランドへ行った日(中編) [英国旅]

映画『シーズンチケット』極々簡単な、あらまし
ジェリー(15歳)とスーエル(17歳)の少年二人が主人公。地元サッカークラブ「ニューカッスル・ユナイテッド」のシースンチケットを買うという夢を抱き、万引きや路上での車のガラス拭きなどで、なんとか貯めた金を、ジェリーのアル中の父親に横取りされ、スーエルは彼女にフラれた挙句に彼女の元カレにボコボコにされ、やけっぱちになった二人が、町を見下ろす丘に立つ天使像に悪態をつく。
「あんた、俺たちの、このクソったれな街の、守護天使じゃないのかよ!」

という場面の場所へ行くため、鉄路、
そろそろニューカッスルに着くかな、というあたりで、
車窓から丘の上に、その守護天使が、
「あ!」
一瞬だけ、見えた。
「あれだー」

駅に着く。
寒い! そりゃ北だもんな、忘れてた。
いや、北だからってのもあるけど、
かつて重工業で栄えた街というのは、こういうものか。
当時のままなんだろうな、という感じの、
丈夫で無骨で、でっかい灰色のペターとした石の道路と歩道、
そして、繰り返すが、
丈夫で無骨で、でっかい灰色のペターとした石の建物たち。


そのせいで、余計に寒いなぁーと、i に来てみると、なんとクローズ。
正月休み(?)だ。
鉄格子のようなシャッターが下りてて、
隙間からショーウィンドウに、街の地図が貼ってあるのが見える。
あの地図をもらうはずだったのに!
天使までの行き方も教えてもらうつもりだったのに!

そこらの青年に聞く。
「うーん、どうだかなぁ、そうだ、i で聞けば?」
だから、クローズなんだって。

せめて、バス路線図でも手に入らないだろうか。
大きな街だから、幾つかターミナルっぽい大きめのバス乗り場がありそうだ。
再度、鉄格子シャッターの隅間から街の地図を見る。
乗り場までの、だいたいの道を覚えて、その方へ歩く。
結構、坂道多い。
途中、いきなり巨大な石塀の一部があったりする、不思議な街だ。
(その時は気付きもしなかった、ハドリアヌスの壁!)

どのバス乗り場にも、
「これ便利!」と路線図を手にした若い男女の笑顔のポスターが貼ってあるが、
肝心の路線図が、ない。
正月休みだからなのか、スタッフもいない。

寒い。
歩き疲れてきた。
お腹も空いた。

高速道路の下の空間に、ズラズラ〜とバス乗り場が並ぶ場所へ来た。
片隅に、カフェ兼安食堂みたいな、
疲れてなきゃ入らなかっただろうな店へ入った。
半分、天使は諦めかけてて「予定変更してヨークへでも行って」
鉄道博物館やらヨーク大聖堂やら!…と思い始めていた。

その店には、お持ち帰り用のカウンターと、テーブル席がある。
しかし、お持ち帰り用の食べ物が並んでるはずのガラスケースには、
パイが、2、3個あるだけ…。
それ見た瞬間、あまりの「ワビシサ」に、
この「テータラク」で、なんで店を開けてるのか!? 
というバカバカしさで、なんか、笑えてきた! 
いきなり、逆に、元気が出た!

テーブルに着き、注文すれば作ってくれるようである。
なかなかメニューは多い。
「トマトスープと、卵ホットサンドを」
ロンドンでは、今時あまり見かけないような、
ソバージュ髪、つり目の黒アイシャドウ、紫っぽい口紅、
黒のロックテイストのぶかぶかのTシャツ、黒いタイトなジーンズの、
若いウェイトレスにオーダーした。

そして、
スープ皿になみなみ、
スプーンを入れたら溢れるんではないかという水位(?)のトマトスープと、
卵ホットサンドが。
「これ、卵ホットサンド???」
 
長くなりそうなので、つづく。


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初めて北イングランドへ行った日(前編) [英国旅]

その年は、珍しく、
レンタカーで地方を巡る、地方に滞在するの、無し。
年末年始をロンドンで過ごしていたのだった。

大晦日も、
トラファルガーの噴水池に飛び込むとか、
ビッグアイでカウントダウンにはしゃぐとかの、お騒ぎはパスして、
早々にホテルでベッドに入り、
ドンドンという、
なんだか、ドラム缶に大きな雨粒が落ちてるような、
花火の音を遠くに聞きながら、寝た。

ヴィクトリアコーチステーションから、
コーチで片道2、3時間程度の、主に南イングランドの町まで行き、
ぶらぶらと、歩き、食べ、休憩し、眺め、半日過ごす。
そして、またロンドンのホテルに戻ってくる、
という何日間を過ごし、明日の朝には立つ、という最終日。

ちょっと、鉄道で、日帰りで行ける、
ギリギリ遠くの町まで行ってみようか、
と思い立った。

北の方、ヨークシャーはどうだろう。
映画やドラマで、ヨークシャーがロケ地の作品って、結構ある。
その、結構ある中から…
『シーズンチケット』の、ある場面を選ぶ。
よし! あの場面の場所へ行ってみようー。

駅の切符窓口の、担当の女性に、
「ニューカッスルまで、デーリターンチケットで、って、ありますか?」
「遠いからデーリターンはないわ、本当に日帰りで行くの?」
と、少し驚かれる。
やっぱ、遠いんだな。
了解と、切符を買う。

ガイドブックは重いので持ってこなかった。
まぁ、i に町の地図があるだろうし、行き方も教えてもらえばいいし。

と、タカくくって行ってみたら、まぁ、一筋縄ではいかない。
やっぱりな…、つづく。




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ホワイトホース [英国旅]

「白い馬を見に行ってくるよ」と言えば、
私をよく知る友人らには、すぐわかる。

ヒルフィギュアのホワイトホースのことだって。

イギリスの、石灰質の地質の地方(南に多い)では、
丘の斜面、馬のカタチに地面を掘る、というか削る。
遠くから見れば、それが馬とわかるが、
近くでは、近すぎて、どこが頭でどこが尾っぽ?
よくわからない、それほどデカイのだ。

何回かに分けて、これまでの旅で見た馬は10くらいはあるかな。
ナショナルトラスト所有の有名な馬を除けば、
たいてい個人の土地にあり、
運良くフットパスが通ってれば近くまで行けるけど、
まぁ、遠目から眺めるだけのこともある。

うんとこさ町外れにあって、
番地や案内板があるでなし、
「ホワイトホースを見に行く」は、正確には
「ホワイトホースを見るため道に迷いに行く」。

最寄りの村でのこと、田舎のバスに乗ること、
チャーターしたタクシーの運ちゃんとの会話。
よく晴れた日、雨がみぞれになった冷たい日、
同じ馬に、何年か後、別の道からたどり着いたこと。
見つけた時の気分は、どうだろう。
「来たよー、ハロー」と声かける。

現地で買った専門ガイド本『ヒルフィギュア』によると、
戦時中、敵機の目印(ランドマーク)にされぬよう、
枯れ草で覆って隠したという。
また、「噂」だけになってた幻の馬が、
冬の朝の暁の影で、ぼんやり馬のカタチに浮き上がって現れた、
なんてエピソードには、ワクワクドキドキする!

ああまた、白い馬に会いたくなった。


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やらかすサイレンセスター・その1 [英国旅]

サイレンセスターはローマン道路沿いにある、
いわばコツウォルズのはじっこの、古い小さな町で、
かつて羊毛で繁盛した時代の名残の、
でっかい塔を持つ教会(修道院だったか?)がランドマーク。

教会の前のPにクルマを入れて、
iで今夜の宿を紹介してもらう。
宿は、町外れにある、ちょっとビックリしたのだが、
素敵なマナーハウス・ホテル。
この料金で?という料金である。
くつろいでから、晩ご飯の腹ごしらえに、
クルマで町へ戻った。

そして、
道に迷ったのである…

田舎ゆえ?
まだ夕方だってのに、
賑やかだったメインストリートは、
早々と店じまい、陽も傾き、薄暗く寂しい。

どこか店はやってないだろうかと、
とろとろクルマ走らせ探してると、
一軒、スーパーマーケット発見。
サンドイッチくらいあるだろと入ったが、
残念、冷凍食品専門だった(こういうチェーン店がある)。
他には…コンビニがあるでなし、自販機があろうはずもなし。

メインストリートから外れた路地から、
持ち帰りピザを持ってる人が出て来た。
あ、あっちにピザ屋があるんだな。
で、路地へ入ってみたが、
それらしい店はない。
もう一本曲がってみるか、
でも、見つからず。

諦めてホテルへ帰ろうっかー、
ビスケットとリンゴあったな、
紅茶でも飲んで、風呂入って、早く寝てしまおう。

!!! あれ、どの道を来たっけ?
??? この角曲がって来たんじゃなかったっけ?

あ、今、チラっと教会の塔が見えた、
あっち方向だ、と入ろうとしたのは一方通行で進入禁止、
では、こっち、とやってると、
ああ、せっかくのランドマークだったのに、見失ってしまった。

こりゃー、本格的に迷子!

ふと、気づき、ゾゾとす。
ホテルの電話番号どころか、ホテルの名すら覚えとらん!

幹線道路に出てみる、
ランダバウト(=ラウンド・アバウトだが、以下も、これで通す)の行き先表示見れば、
ホテル名を思い出すようなヒントあるかもと、グルグル回る。
やっぱりわからん。
で、また町へ入る。

ええと、さっき見失ってしまったけど、
教会、その前にあるP。
あそこからホテルへ向かったんだった、
だから、あのPへさえ行ければ、
また、ホテルへ帰れる。
同じ道、さっきホテルへ向かった道だもんな。

しかし、その教会はどこに…あ、人いた!
家の前でワゴン車から、何やら荷物を降ろしてる。

「サイレンセスター! でっかい教会! どこですかぁ〜」
焦ってるので、こんな感じ↑
「サイレンセスターは、ここよ。教会に行きたいの? 迷ったの?」
「はい、アイム・ロストです」
「教会が分かれば、後は分かるのね?」
ぶんぶん、首をタテに振る。

例によって、
「ついてらっしゃい、フォロー・ミー」
となり、ワゴン車で先導してもらう。

やっと(といっても、たいした距離でない)、教会の前のPへ来れた。
フォロー・ミーの途中、開いてるレストランも見かけたが、
もう、いいの、いいの、帰る、帰る、
ローマン道路に出て、ランダバウトを左、直進!

はぁぁ〜、ホテル。
バスルームで、へたり込む。
ああ、くたびれた。

旅してると、道に迷うネタは尽きない。
旅だからか、だから旅なのか。

しかし、
なぜ、あんなに焦ったのだろう。
荒野の真ん中で迷ったのではないのに。
町だし、民家もあったんだし、
行動すれば、どこかの家のドアを叩けば済んだのに。

何年か後、再訪して、また何か『やらかす』サイレンセスター、
それは、別の機会にでも。

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あの道、花道 [英国旅]

初夏。
いつもは航空運賃の安い晩秋〜晩冬なのだが、
珍しく、初夏のイギリスへ来ている。

初夏のイギリスは、どうか?
まず、サマタイムである。
朝が早く(もう、朝?)、
夜なかなかふけない(いつまで明るいんだ!)、
ついつい行動時間も長くなる。
勝手が違う。

ヨーヴィルからエクセター方面へ、レンタカーでA30。
平行してM5(高速道路)も通っているが、
まず、といっていい、ローカルな方の道を選択す。
初夏の、作物に覆われた田園風景も、新鮮だ。
(秋と冬は土むき出しなので)

田園の小さな雑貨屋で、飲料水を買う。
簡単な食料品、飲料水、肥料、種など売ってる。

雑貨店前の路肩にクルマ停め、
水を飲みながら、しばし休憩。
ここは、どの町、どの辺りかなぁ。
と、目の先にパブリック・フットパスの目印。
家屋と家屋の塀の間の路地から入るらしい。

へぇぇ、行ってみますか。
パブリック・フットパスの目印には、どうも、そそられる。
(日本で、赤地に黄文字抜きの『ラーメン』の旗の前を素通り出来ないように)

路地を進み、『人ン家の庭じゃないの?』を抜け、
こんもり林の丘の小道になった。
木々のトンネル抜けた先は、たぶん農地か?
柵とステップ(柵越えのための)がある。

柵を越えたとたん、突然、
全て、薄紫色の花の畑!!!!
が、視界いっぱいに広がった。

ひゃ〜〜〜〜〜

あったり中、全部、全部、
薄紫色の花、知らない花。
その中、あぜ道へとフットパスは続いている。
隣村とか、どっかへ繋がってるのか、道の先は見えようも無い。

ひゃ〜〜〜〜〜、ひゃ〜〜〜〜〜〜、って気分で、
あぜ道、どんどん歩き進む。

イテッ、足元のイラクサに注意しなきゃ。

お、反対方向から、これまた絵に描いたようなイギリス爺さんがやって来る。
長く白い髭、編み込み模様のベスト、杖。
※余談、イギリスは爺さんの宝庫だと思う。

「ハロー」
「ハロー」
「この花、これ何ですか?」
「これはのぉー」(って感じで)、
「パンを焼くのに使う油になるんじゃ」と言ったらしい、たぶん。
「毎日、隣村から隣村まで歩いとるんじゃよ、フォッフォッフォ(笑い声)」

後になって、
隣村も先の隣村も、
ロードマップで位置を探そうしたが、見つからない。
白い道どころでない、あぜ道のフットパスなんて載ってるはずもない。
なので、あれがどの辺りだったのか、
今もって、わからない。

し・か・も!
ロンドンへ戻り、ホテル近くの、ヤバそうな店で現像に出した、
その風景の写真は「なんでだ〜?」失敗してやんの。
てなワケで、ホントに幻の、あの道、花道。

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お宿は、どこ。 [英国旅]

スウィンドンのレンタカー「ハーツ」でクルマ借り、
あちこち立ち寄りながら、シャーボーンまで来た。

天井模様に目を見張る教会など観光したのち、
さて、今夜の宿あるイエットミンスターへ向かうのだが、
とにかく小さな村らしい。

今いる道路A30から、ローカルなA352、
さらに、その先は道に号数すらない、
ロードマップ上では「白い道」だ。

ちなみに色でいうと、
一番大きな道(高速道路)の青から順番に、
→緑→赤→黄色(ここまで号数ある)。

とにかく、道に迷う前に、
アテにできる町らしい町は、このシャーボーンしかない。
通りすがり、運良くタクシー会社の事務所を発見す。

道案内は得意中の得意であろうタクシー運ちゃん、
「あー、それなら、この先にガソリンスタンドあるから、そこ右に…で、丘があって」

うーん、やはり全部聞き取るのは(自分のリスニング力では)キビしい。

「(地図)描いてもらえません?」
(このフレーズは、よく使う、ライト・ダウン・プリーズ)

旅に使ってる、手帳を渡す。
「え、え〜と…」運ちゃん、いきなり考え込んでしまった。
頭の中で、整理してる。
で、描き始めて、すぐに、
道は手帳のページのハジっこまできてしまった。
つまり、続きは欄外らしい…。

で、今度はもっと大きな面に描いてもらおうと、
旅の資料を入れてる封筒(B4)の裏面を提供する。

すると、運ちゃん、
大きな面の、やけにハジっこあたりから描き始め、
……、やっぱり続きは欄外。

唖然。
運ちゃんもキマリ悪そう。

「とにかく、こうだよ!」
と、最初に説明されたガソリンスタンドまでを示して、
「大丈夫、簡単な道だから。分からなかったらガソリンスタンドで聞きなー」
手を振って別れた。

続きがある。
心温まる。

なんとかイエットミンスターの村に入った。
あとは、宿の場所を見つけるのみ。

しかし、町と違って、人がいないんだなぁと、
心細く思ってるとこに、
学校帰りか、小学生の少年が3人、自転車で走ってきた。

こんな小さな村に、宿が何件もはないだろう。
「宿、行きたい、知ってる?」
3人「あそこかなー」「あそこじゃないか」と相談してから、
「ついて来て!」
(これも、よく言ってもらう、フォロー・ミー)

小学生の自転車3台に先導されて走る、
フロントガラス越しの景色を、
決して忘れることはないだろう。

宿に着く。
気の良い奥さんが、二階の部屋まで荷物を運んでくれそうになるのを、
「いえいえ、自分で、トゥー・ヘヴィだから」
「いいのよ、慣れてるから」
と、ごちゃごちゃ、私が私がと言いながら、一緒に階段を上がる。

荷物を置いてから、村を散策。
パブでピザを食べる。
店の犬がワンと吠えて、主人にしかられる。

いい旅になったなぁ、と思う。

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イギリス、はじめ [英国旅]

新たにカテゴリーに『イギリス』加えました。
旅の話など中心に、ポロポロ語っていきます。
どうぞ、よろしくー

↓↓↓

初回は、こんな宿の思い出。


ストラトフォード・アポン・エイヴォンで観光した後、
ツーリスト・インフォメーション(以下i)で、紹介された宿。

鉄路移動でレミントン・スパ駅、
駅から白服パキスタン人のタクシーで、
町を通り過ぎ、田園へ。
到着したのが、農場のB&Bであった。

呼び鈴鳴らすと、
「いらっしゃーい」「ハ〜イ!」
きゃっきゃと賑やかに迎え出てくれたのは、
小学生〜中学生の子供ら、
4、5人はいるか?
両親は買い物で留守とのこと。
予想してなかったので、やや、たじろぐ!

しかし、慣れたもんで、
部屋こっちよーと、少女が二階へ案内してくれたり、
階段下にあるピアノを、
少し照れくさいのか、赤いほっぺの少年が弾いてくれたり。

部屋に荷物を置いて下へ降りると、
わらわらと、農場を案内してくれる。
レトリバー犬がぴゃーっと走り寄ってきて、
ストレートに甘えてくる。

「この犬、バカなの。番犬にもなりゃしない、ただのペット」
と少女の紹介は、にべもない。
ナデナデしてやると、ひっくり返ってお腹を見せる、
確かに、警戒心ゼロだ…

「こっちの犬は賢いのよ!」
今度は自慢げに、
羊を追うボーダー犬のところへ連れてってくれる。
繋がれ、専用の犬小屋にいる。
鋭い眼差しで、リリしい。

けっこうな広さの敷地には、二階が宿、一階が住居の家屋、
トラクターや乾燥草が山積みされてる大きな倉庫が2、3棟。
柵囲いの広い牧場には、羊の群れ。

「この柵越えて、中入って羊触っていいかな」
「駄目!」
だそうである。
そうそう、羊舎もある。

一通り案内すると、少女らはバラバラと散らばり去り、
ピアノの赤いほっぺの少年がひとり残った。
役目と思ってるのか、ただ人懐っこいのか、
一緒に連れ立って、しばらく農場を歩き回った。
「名前は?」
「トム」

トム、あの日から何年過ぎた?
もう、奥さんもらって子供もいるんじゃない?
何年も何年も前の、
初めてのイギリス旅で、
初めて泊まったB&Bでのこと。

とむ.jpg

ピアノ.jpg

さり1.jpg

さり2.jpg


写真上から:
農場の少年トム/トムが弾いてくれた階段下のピアノ/ペット犬サリー/置いてきぼりサリー




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